整体師ではなくトレーナー、コーチではなく「セコンド」というこだわり


格闘家のセコンドそして私の「セコンド」という役割

「セコンド」という言葉に、私は人一倍のこだわりと、深い思い入れを抱いています。今日は、この言葉が私にとってどのような意味を持ち、私の活動の根幹をなしているのかについて、じっくりと綴っていこうと思います。

多くの方が「セコンド」と聞くと、ボクシングやキックボクシング、総合格闘技のリングサイドで、選手にタオルを渡し、水を飲ませ、次のラウンドに向けて檄を飛ばし、的確な指示を送る姿を思い浮かべるでしょう。試合中に選手の怪我の状態を確認したり、対戦相手の動きを分析して戦術を立てたり、時には大胆な作戦を提案したりする、非常に重要な役割を担っています。私の場合は、そうした試合中のサポートはもちろんのこと、試合前のフィジカルケアや、厳しい減量中の栄養相談にも乗ることがあります。選手の身体の状態を細かく把握し、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、多角的な視点からアプローチしています。



心理的サポートと「挑戦する人」へのセコンド:心技体を支える存在として

試合当日、選手は計量や最終調整で極度の緊張状態にあります。そんな時、私は単にフィジカルケアを行うだけでなく、選手の心の声に耳を傾けることを最も大切にしています。彼らが抱える不安やモヤモヤ、プレッシャーを言葉にしてもらい、時にはただ黙って聞くこともあります。そうすることで、選手は心理的に安定し、本来の力を発揮しやすくなります。試合中も、私は選手のリクエストを汲み取り、例えば「呼吸や体の軸、目線」といった具体的な指示や、試合の流れを変えるようなアドバイスを送ることがあります。そして、試合後には、勝敗に関わらず、その試合で得た学びや課題を共有し、次のステップへ向けた具体的な会話もします。


この「セコンド」としての役割は、何も格闘家だけに限定されるものではありません。私のクライアントさん全員に共通する、私の根本的な姿勢です。彼らはそれぞれの分野で「挑戦」を続けています。彼らの目標達成や課題解決のために、私は共に戦略を練り、時には大胆な「攻め」の姿勢を提案することもあります。そして、目標に向かう過程で心が折れそうになった時には、精神的な支えとなり、もう一歩踏み出す勇気を与えられる存在でありたいと願っています。

特に「ブレイクスルー」の瞬間、つまり現状を打破し、次のステージへと進化したいと強く願う方々に対しては、私はあらゆる手段を尽くしてサポートします。私のクライアントは、現役アスリートはもちろんのこと、40代、50代の経営者やビジネスパーソンの方々が多くいらっしゃいます。彼らからの相談内容は、新規事業の立ち上げに関するビジネス戦略、キャリアチェンジやスキルアップに関するキャリア相談、プレゼンテーション能力やリーダーシップといったパフォーマンス向上、そして年齢を重ねる中でより重要となる健康増進に至るまで、多岐にわたります。私は単なるコーチングを行う者でも、トレーニング指導をする者でもありません。この「セコンド」という言葉には、私のこれまでの経験とスキル、そして「挑戦する人を支えたい」という私の活動の真髄が凝縮されていると強く感じています。

挑戦する人の一番の応援者でありたい:共に未来を切り拓くパートナーとして

「挑戦する人のセコンドでありたい」という思いは、ここ数年の私の活動を通じて、より明確な形となってきました。しかし、振り返ってみれば、私が独立し、この仕事を始めるずっと前から、潜在的にこのような存在でありたいと願っていたのかもしれません。多くのクライアントさんとの対話や、私自身のセルフコーチングを重ねる中で、この思いはますます強固なものになっています。私は、一般的な整体師や、単にトレーニングメニューを組むトレーナー、あるいは目標達成を促すだけのコーチとは一線を画しています。私の目指すところは、彼らの人生の節目や転換期において、最も信頼できる伴走者であることです。

先日、あるクライアントさんから言われた「ウエケンさん、これってセコンドと一緒ですよね」という言葉が、私の心に深く響きました。それは、私が日頃からクライアントさんとの関係性で意識している「距離感」「関わり方」が、まさに「セコンド」のそれと同じだと感じてくださった証拠だからです。

先日、親しくさせてもらっている飲食業を営む経営者の方と、お酒を酌み交わしながら話していた時のことです。「僕に合う言葉はセコンドなんじゃないかな」と、その方も同じような感覚を共有してくれました。彼もまた、ビジネスという名のリングで日々挑戦を続けている「選手」です。

これまでの私の経験と培ってきたスキルをすべて集約し、もし私の肩書きを一つにするとすれば、迷うことなく「セコンド」と名乗りたい。なぜなら、私は挑戦する人の一番近くで、その背中を押し、全力で応援したいと強く願っているからです。それは、まさに格闘家を応援する時のように、熱く、そして情熱的に。彼らが目の前の壁を乗り越え、ブレイクスルーを達成し、次なるステージへと進むための力強い手助けをすることが、私の最大の喜びであり、使命だと感じています。一人でも多くの人が、自分の可能性を最大限に引き出し、輝かしい未来を切り拓いていけるよう、これからも全力でサポートし続けていきたいと心から思っています。

上田健二オフィシャルサイト

コンディショニングトレーナー/スポーツメンタルコーチ/講師 として活動しています。

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